早いものであれから20年がたった。天安門事件、ベルリンの壁崩壊、冷戦終結と文字通り1989年は世界を変えた激動の年であった。特に、自由化を求める市民によって壊されていくベルリンの壁の映像は、全世界に強烈なインパクトを残した。
その後、イデオロギー対立が霧消し世界は大競争時代に突入した。バブル崩壊を経て日本は「失われた10年」という荒波にもまれた。西側は冷戦終結の「勝者」となったが、日本に限れば「敗者」といえるのではないか。
さらにこれから20年後、2009年はどんな年として記録されるのだろうか。
初の黒人米大統領として登場したオバマ氏が「核のない世界」を掲げたことが、歴史的出来事として位置付けられるのは間違いないだろう。敗者日本も自民党の長期一党支配から民主党に政権が交代し、歴史的転換点に立った。20後、09年が日本復活への助走路となったと語り継がれるよう願う。