今年の8月は日本の戦後史の中で節目となる重大ニュースが2つも起きる珍しい月になる可能性がある。ひとつは既に始まった一般市民が参加する裁判員裁判で、もう一方は政権交代がありそうな衆院選である。
司法の大転換である裁判員裁判第一号は、おおむねトラブルなく推移したようだ。判決は16年の求刑に対し、懲役15年。3日間わたる集中審理の結果であり、市民感覚の表れとして受け止めたい。今後も運用の実態をみながら見直しもなされていく必要がありそうだが、まずは順調な滑り出しというところか。
他方の衆院選。自民党がもし下野するとなると、細川連立内閣発足以来16年ぶりとなる。新聞社が行う世論調査でも、民主党の勢いは底堅いという印象だ。しかしながら問題はその後だ。空前のブームを巻き起こした細川内閣でさえ、景気に苦しみ短命に終わった。ましてや支持率がそれほど高くない民主党による新政権への準備は十分なのだろうか。