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カタールフレンド基金、教育、水産業と健康分野での支援

ここでは、カタールフレンド基金(QFF)が水産業、健康、教育の分野で資金援助を行なってきた、ほかの7つのプロジェクトについて紹介する。

海産物の新鮮さを保つ

釜石・大槌地域産業育成センターと協力して、細胞膜を破壊せず海産物を冷凍するシステムを岩手県釜石市で導入するために、QFFは釜石ヒカリフーズへ100万ドルの支援を行なった。

このプロジェクトは、運搬中に海産物を状態よく保存するための先端の冷凍技術を導入することで、釜石市における水産業の復興を目的とした。

その結果、付加価値商品と全国直販により1次から3次産業までを統合した6次産業が作れた。

水産業を再建する

宮城県気仙沼市の唐桑地区では、3月11日の震災前は、5分の4の世帯が水産関係に従事していた。

津波による破壊の後、QFFは日本国際民間協会と連携し、アルフルザと呼ばれる180万ドルの水産関係のプロジェクトに援助を行なった。アルフルザはアラビア語で「通商の窓口」を意味する。

2014年5月にオープンした同施設は、最新の魚類保存技術を使っており、水産関係者が販売前まで魚類を生きたまま保存できるようになった。

アルフルザ開所式でユセフ・ビラール・カタール大使は東北の復興は水産業が鍵だと強調した。

「アルフルザが唐桑の皆さんや地元の漁師の方々、バイヤーや飲食店関係者、そして地域の女性の皆さんとともに発展し、東北復興に貢献することを願っています」と述べた。

施設は食育教育や料理教室としても使われる。

復興のための野菜作り

宮城県気仙沼市ではエコ食品健究会がQFFより50万ドルの支援を受け、「復興元気野菜プロジェクト」を推進した。

この計画は、野菜を育てるプランターと太陽光発電装置を地域に配布し、人々のつながりを強め、育てた農産物を販売することを目指した。

このプロジェクトのゴールは、野菜を育てるためのワークショップ、家族の対話を生み出すこと、育てた野菜の販売、雇用機会の創出につながる野菜を売買する地元の会社の育成、そして以前作られた水産物の販路の活用などを通して、家族のきずなと子どもたちに笑顔を取り戻すことだった。

このプロジェクトで、プランターは400ヵ所に、太陽光発電装置は40ヵ所の協働市民農園に設置され、5万人に希望をもたらした。

健康支援の活動

QFFは被災者が生活を再建し、それを維持できるよう、被災地域の健康支援と被災者の心身両面での回復支援を重視している。

基金では岩手、宮城、福島の障がい者と高齢者支援のため、難民を助ける会、盛岡市立病院と「東北の人々の健康を増進する」事業を推進している。

このプロジェクトのゴールは、障害のある子どもたちへ遊具の提供、彼らが利用できる図書館の設置などがある。またマッサージ、カウンセリング、エコノミークラス症候群の早期発見と予防などの健康増進活動を行なうことを目指している。

スポーツを通じた復興

しらかわカタールスポーツパークは福島県白河市の地域を活気づけ、住民の健康を増進させるためのプロジェクトだ。

陸上競技場のトラックや体育館の改修、屋内スポーツ施設アナビースポーツプラザの建設のために、QFFは790万ドルを支援した。

2011年に地震が起きたとき、地元の体育館やほかの施設は原発事故から避難する家族のための避難所として使われた。この惨事で発生した放射性物質により、屋外での活動は厳しく制限された。

「東日本大震災は日本の何百万人もの人たちの人生を変えました。住居、生活、そして安全に対する意識です」と、2015年2月に同市で行なわれた開所式で当時のカタールのハーリド・ビン・ムハンマド・アル・アティーヤ外務担当国務大臣は述べた。「福島の人々にとって、これは同時に生活とコミュニティの中で、これまでにないさまたげを意味していました」と。

「しらかわカタールスポーツパークができ、本当に喜んでおり、老若男女問わず、地域のすべての皆さんの役に立つことができます。この素晴らしいプロジェクトが、地域の復興に貢献し、スポーツと地域形成への情熱において人々が集まる場所になることを望んでいます」と大臣は述べた。

災害に強い社会のために

東北復興の人材育成の一環でQFFは、男女共同参画と災害・復興ネットワーク(JWNDRR)、日本女性学習財団が運営する「災害に強い社会のための提言と人材育成プロジェクト」を支援している。

この計画は防災と復興において、日本の女性の影響力を大きくさせることを目指している。

QFFが34万ドルを提供したこのプログラムは、3月11日の震災で被災した何千という女性の経験が将来の計画作りにいかされるようにし、その結果、自然災害でけがや尊い命を失うこと、そしてインフラへの損害のリスクを減らすことを目指す。

「2011年に東日本沿岸を災害が襲ったときに、命を失った54%は女性と女の子でした。惨事から助かった人たちにとって、経験を共有でき、より安全な将来に貢献できることは一番大切です」とユセフ・ビラール・カタール大使は述べた。

「災害そのものを乗り越えて、女性と男性の両方が復興の過程に携わっていると感じるのを確実にすることが大切です。この点で、QFFは双方をつなぐもの、それを可能にするものとなれます。われわれがこの大事な計画を支援しているということを私は喜んでいます」と、大使は付け加えた。

JWNDRRの堂本暁子代表は、震災後、東北の女性に寄り添い活動し、このプロジェクトの意義を述べ、不可欠な教訓が学ばれるようにと話した。

「地域のリーダー、先生また家族にとって、災害がもたらすリスクを減らすことについて、そして年齢や性別にかかわらず同じレベルの保護を提供することについての正しい知識を持つことは必要不可欠です」と堂本さんは述べた。

「損害、けが、尊い命をなくすことを効果的に減らすために、私たちは妥協できません。カタールの友人たちは多大な支援と励ましをくれました。私たちの長期的な活動は将来の災害の影響を誰にとっても少なくするために必要なリーダーシップの能力を養うこと」とも元千葉県知事は語った。

このプロジェクトは、2015年3月に仙台で開かれた第3回国連防災世界会議でパブリックフォーラムを実施。13ヵ国から277人の参加者を集めた。

冬に楽しんだスキーイベント

2012年1月、QFFは北海道夕張市で「雪ん子プロジェクト」という行事の実施を支援した。

この1回限りのイベントはスキー教育プログラムにより、被災地の1,400人の子どもと家族に笑顔を取り戻した。彼らは震災の苦難におかれ、福島県での原発事故のため外遊びを制限されていた。

また、参加者は北海道旭川市の有名な旭山動物園への旅行も楽しんだ。

(この記事の情報はQFFにより提供された)



Qatar Friendship Fund Relief Projects in Tohoku

1. 東北の被災地を支援するカタールフレンド基金

3. 友情と誠意から設立された基金